九鬼周造著『日本詩の押韻』再読/狸亭
同 一の韻を踏む困難を避けて第一節と第二節とに各々異った韻を踏んだ りすることもある。しかし、十四行詩でこそあれ、ソネットの名を拒む人もある。 ペトラルカは三百余のソネットを作ってラウラに対する戀を歌った が、彼れの用ひた形式がすなはちソネットの原型である。
(「韻の形態」全集第四巻411ー412頁) 残念ながら、以下の引例、ペトラルカ、李白、シェークスピア、ゲーテ、ヴァレリー、人麿、車持氏娘子、憶良の見事な十四行詩は省略せざるを得ませんが、九鬼周造がその思いを込めて引用しているフランスのボアローの言葉と與謝野晶子の歌を挙げて、本章の結びとし
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