九鬼周造著『日本詩の押韻』再読/狸亭
です。
詩は言葉の芸術であります。もちろん内容は独自のものに成る筈ですが、詩が詩として成立する条件は、何でしょう。時には初心に帰ってよくよく考えてみたいものです。 脚韻の多様さを前にして、これらの制約を自由に使いこなした上で、なお不自由であり押韻を追放しなければ絶対に表現出来ないという内容をもち且つ独自の自由な表現形態を、必然的に自覚した本当の詩人は一体何人存在しているのでしょうか。
さて、ソネットについての九鬼の文章を読んでみましょう。
西洋で四句押韻と三句押韻との併用の生んだ十四行詩はすなはちソ ネットである。ソネットは十三世紀にイタ
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