九鬼周造著『日本詩の押韻』再読/狸亭
まことに様々な形態があり変化に富んでいます。現代詩人たちは、自由に形式を作り多様な詩作品を発表しておりますが、これらの先人たちの遺産を正当に評価した上でのことなのでしょうか疑問です。自分自身をも含めてですが、あまりに自己流ではないでしょうか。音楽家は最低の基礎として音符が読めなければなりません。様々な楽器の性質を熟知していなければ音楽の創造は不可能です。画家はデッサンまたは模写から入門します。多様な色と形を駆使するにしても平面上に表現するという絶対条件のもとに、号の制約の中で自由な表現活動を行うのです
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)