九鬼周造著『日本詩の押韻』再読/狸亭
又エレディヤの詩に実際に日本語の脚韻の部分で使われている例として、「biva(琵琶)とrevaとvaとTokugawa(徳川)の四つが韻をなしてゐる」。今日では国際化も進み、各国語がミックスされて詩作品の中に入ってきており、音韻の交流はより豊かなものになっているように考えられます。まさに「一国語の音声学的性格などといふものは動きがとれないほど固定的なものではない」のです。
日本語における押韻の反対論者として、近重真澄、フローレンツ、三好達治の反対論を引用した後、これを論破します。
いったい、音韻上の効果を考察するには詩の韻はそれだけを単独に 分離して見ることは出来ない。一章の言語の
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