九鬼周造著『日本詩の押韻』再読/狸亭
 
年(1931年)10月16、17の2回にわたって『大   阪朝日新聞』に発表された。
(3)日本詩の押韻[B]
   昭和6年10月に岩波講座『日本文学』に発表されたものの大幅   な改定稿。

 つまり全集第四巻に収録されている『日本詩の押韻』が最終稿であり、より深く九鬼の思考、論旨を理解するためには、上記の順序でテクストを読むと良いでしょう。
 53歳で没したこの稀有な文人哲学者の押韻の問題に関する周到な考察は、著者のパリ滞在中(1927年)すなわち著者30代後半から書き始められ、帰国後の40代後半に至る、ほぼ10年間余をかけて達成されております。

 九鬼周造が押韻の普遍性、日
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