九鬼周造著『日本詩の押韻』再読/狸亭
徒らに創造の自由を束縛するのみで何等価値なきものと考へ得る かも知れない。然しながら芸術の本質は内容と形式との調和統一に存 するもので、芸術の内容は芸術をしてふさわしい形式を備へなければ ならない。形式上の束縛は芸術には或意味で本質的なものである。 (「邦詩の押韻に就いて」全集第五巻255頁)
この文章を敢えて冒頭に引用したのは、九鬼の思いがこめられているからです。「日本詩の押韻」について考え始めた原点だからです。
九鬼はまず、韻と律について次の様な図解を示します。(全集第四巻225頁)
律(Rhythmus,rhythm,rhythme)
韻律
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)