三人の少年/麻草郁
古老の言う通り、輝きを良く見てみよう。
少年が目を細めて輝きを見ると、中には怖い顔の鬼や獣が潜んでいた。
少年は、恐ろしくなって、輝きから目をそらした。
すると、目の前に可愛らしい少女がいたので、彼はその少女と結婚した。
少女の為に狩りをしていると、遠くの輝きはいつのまにか見えなくなっていた。
二人目の少年は分岐点に立って考えた。
「どちらに進んだら危なくないだろうか」
右に一歩進むと、背後から怒声が飛んだ。
「そっちへ行くな!」
「おお危ない危ない、左が正しいのだな」
少年は、左側へ進んだ。背後からは
「そっちは良くないよ」という優しい声がしたが、少年には小声の忠告が聞
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