やまびとの詩?散文詩/前田ふむふむ
 
げる祭壇と、極彩色の大伽藍をたくさん建て、部族を服従させる厳格な規律を創り、生活を始めた。やまびとたちは、断崖の麓で、槍のような侮辱を受けたが、気にしない素振りをして、他人事のようにやり過ごしたが、やまびとたちは、小さな会合をもっては、個人的に内心の憤りをぶつけたりした。そして、行ったことのない七つの海をめぐる航海の話をして、こころを慰めたが、実際、夢のような場所に行こうとした者はいなかった。この断崖の麓から行ける訳がないといって、お互い諦めることで了解しあった。
      5
太陽が青くさらさらと輝くひかりを取り戻した時、猿の仮面を掛けた部族は喝采したが、断崖の上は、半分が欠落した世界に変
[次のページ]
戻る   Point(3)