長い一日-は-まだ-はじまってもいない/黒川排除 (oldsoup)
 
止めることが出来ないから。つまり、一同は見た。第三層目に埋まっていたラジオは動かなかったが、硬かった。のみならず一晩中壁に向かって蹴っ飛ばしていると、翌日の晩には蹴っ飛ばしていた足との衝突音を放送するのだった。ただしそれは本人の遺志で流されている。周波数を変えると、南の方では蝋燭を取るにも命がけだという情報が、軽妙な音楽とともに流れてくる。体育だった。

英語での会話が聞こえてくる。館内禁煙、お静かにお願いいたします。一室。あるいは遺失。壁はシャッターのように開閉が自由であったが、満たされた暗闇が流れ出ることは決してなかった。予測。それは予測であった。それは予測であったが、常連たちにとって予測
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