「幽霊」についての私的覚書/岡部淳太郎
ての詩を量産することも可能だろうとも思う。そうして「幽霊」の詩を書きついでいくことで、僕にとっての「幽霊」が草野心平の「蛙」と同じようなものになることも可能かもしれない。
作者が自作について解説めいた文章を書き記すのは、もしかしたらやってはいけないことなのかもしれない。作者は作品を公衆の面前にさらした時点で、自作について口を差し挟むのを諦めるべきなのかもしれない。だが、連作「夜、幽霊がすべっていった……」に関しては、個人的に言っておきたいことが少なからずあるので、ここではそれらを書き記すとともに、自分にとっての「幽霊」というテーマについても、何がしかのことを語っておきたいと思う。
まず、幽
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