「再生」(novel)/とうどうせいら
 
った。
 空高く飛ぶ内に、ガラス越し、ベッドの女の影が見えた。
 少し笑ったような気がした。
 私はそれで満足した。


*** 

 その日は雪だった。
 私はその前日、ふっくらと蕾を開いた。途端、ぷつ、と切られた。一晩車に乗せられて、投げ込まれたのは白い箱の中だった。
 ――痛々しい。
 ――恋の病だったのですね、あの男が死んで以来、日に日に弱っていくばかりで。
 ――どうしようもなかった。
 ――こんなにお若いのに。
 人の声がした。私は自分の投げ込まれた箱が、棺だというのを知った。黒ずくめの参列者の中、棺の中の女性は、眠ったように死んでいた。
 私は女性の胸の
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