「再生」(novel)/とうどうせいら
けられるような感情が起こった。
――いつか、また会いにゆきます。戻ってきます。いつかまた――。
***
次の夢はいつだったろうか。
私は風を切って飛んだ。ふわりふわり、と羽ばたくと、私の白い羽に、金粉が散ったように陽光が踊った。
私はテラスのプランターの上へ、そっと降りた。サルビアの蜜に、ほどいた口吻で、キスをした。
――蝶が来ていますよ、もう春ですね。
――春なんて……今更、意味のないことだわ。
女達の声がして、私は声の主を見た。ベッドの上に青白い顔の女が寝ていた。
給仕の女は、窓を開けて、四角いプランターを持ち上げた。
私は驚いて舞い上がった
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