スイングバイ/霜天
モノクロの描画、朝が朝になって
いつも間違えそうな、窓に走る線のひとつふたつ
数えることを踏みとどめて
大きな朝に、誰もいない交差点に、スクランブルに
点滅する青と赤に、おはようと言うための
ひとりぼっち
いつの間にか蒸発した珈琲が部屋に満ちて
僕らは無理矢理に起こされる
大きな揺れ幅、きっといつかは
支えられる水銀柱
空へ押し上げる大気圧は
きっと君に似ている
存在の証明は
いつか蒸発して、気体になって、空になって青
誰も望まない理解できるはずの気持ちのこと
僕らは語るようにして、海に流す
川が合流していくような世界
冬には干された布団の
日向
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