恋愛詩の可能性/岡部淳太郎
気も感じる。
ここでは戦後日本の現代詩の中から、いくつかの恋愛詩をとり上げて、それらの詩にのびのびと恋愛を楽しんでもらおうと思う。ただし、とり上げるのは男性詩人の作品のみである。別に差別的な意図があるわけではない。この小文を書いている僕自身が男性であるから、男性の気持ちからしか恋愛詩に踏みこめないというだけの話だ。
{引用=僕はまるでちがってしまったのだ
なるほど僕は昨日と同じネクタイをして
昨日と同じように貧乏で
昨日と同じように何にも取柄がない
それでも僕はまるでちがってしまったのだ
なるほど僕は昨日と同じ服を着て
昨日と同じように飲んだくれで
昨日と同じように不器
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