ツァオベライ/嘉村奈緒
「 ツァオベラ あの 真っ白い世界 」
わたしはその日も一斤のパンと砂糖水を摂った
目の前で食卓の隅が何枚もめくれているのを見ながら
なにかを話そうとすると、その度に景色がぬかるんだ
あれは葬式よ
長い列に父も母も並んでいる
わたしは末尾で鳥になるから、だいじょう ぶ
じょうずに 羽を動かして 食卓につけるのよ!
「 一斤のパン、砂糖水、チチチ・・・
すごい早さで食卓は進む
あの魚は肉がうまいあの魚は霞むのがうまいと子どもたちは真
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