ツァオベライ/嘉村奈緒
 
は真っ白い顔で話している
    わたしは、明くる日のパン、明くる日のパン、を、摂りながら真っ白い世界に年輪をかけていった
    輪、広大な輪、曇りのない水面になり、列の一部がつぎつぎともぐる
    白い子どもたちは「オーオーオー」って野太く鳴くの
    わたしは困らないよ
    わたしはしたたかだし、産毛立った腕は元気よく成長している
    魚がするりと昇るので、わたしはそれを捕まえればいい
    
    鱗は箸でよけるから、ねえ、

                 ツァオベラ!

                      あなたはまあるい瞳の中でしず
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