Beyond My Room/木立 悟
 
スたち
ただ戯れだけの不幸の幻が
あくまでも路傍に横たわり
地すべりと共に道は砕け落ち
その音に安らぎは骨を請う


灯りの無い窓には包みこむ音が既に居て
喰い荒らし方をくちびるにしか教えない
花と汁とにおいと夜露
虫と石と棘と土
葉のないおみやげの死に耐えかねて
下へ下へと こぼれ伝わるみぞれの波
時にこうしてきつく動かぬ歯質の森を
灰にするのと尋ねられ答えられない自分と
篝火を埋めて去った森神の娘の血とが
いつか雪の中でひとつになるのを見ることがある


湯気が気付かないほど早く
あなたがそれを殺した時のようにそれを食べたとき
私の舌はもう慣らされた腐
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