Beyond My Room/木立 悟
 
た腐の原の鎖鎌
錆びるほどに良く人魂(ひと)を切る
突き刺さった土の先の
許容空間
途切れ途切れのままなお続く光曲線
にじむ陰との差はもはや緑のみ
染まりやすい無色の子を
その色のまま池に織り閉じようとして


やわらかい立体感のための止まらない音
やさしい切り絵 同じ色
屋根を横ぎる鳥 見上げる柵
風景たちの歯車がひとつずつ離れて
その隙間の動きが影を引き寄せ
虹 四辺のまなざし
降りそそぐ雨に混じって
ろうそくの震えと硬質の無がとるあの形はますます強く
動きの無い自分の前に重なってゆく



もう飲まない水
星の裏側
継ぐべきふくよかなもの
部屋を超えて











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