Beyond My Room/木立 悟
 




ゴミ箱はふたつ 横になっている
ほら そうして寒くなってきた
手も尻で 足の指が離れないまま片方の膝から下が無い
こうして時々積み上げておいた亀裂の前にやって来て
わずらわしさの鉢植えに水をやる
陽の光を浴びないようにして
あけることができないあの形の瓶に囲まれて
地平線から舞い上がる無数の歪んだ風船の魚を見つめる
高く低く 朝焼けと共に
地平線もまた数限りなく分かれゆく


どこに居ても物に囲まれ
どこに行っても物と物との間を移動するだけ
パノラマのように変化する列車の窓からの景色
昔からそこにあるだけの景色がなぜこんなにも


かすかに木が
[次のページ]
戻る   Point(2)