緑詩歌/木立 悟
も
何もわからず
どこからでも見える
月色の昼
雲枯らす生きもの
ああここにいつまでも立って見ていることもできず
色は目を去り 分かれゆく
同じではないのか 求めるものは
同じではないのか 去りゆくものは
ふたつがいつつに
いつつが私に
ふたたびひとつ
果ての無いまっすぐの道でうろたえる私
耳と口とが果ての存在を語ってやまぬので
目はどうすることもできずに餓死してしまった
来るはずのない手紙は来るはずもなく
いまだ乾かぬ水滴さえ
驚きの重さを手に運ぶのだ
私はずらす
ゆるんだこの身
ただ一度
ただ一度を考えながら
倒れるだけの行為を見つめ
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