緑詩歌/木立 悟
 
ている私が
私を知らずに
語る言葉を持たずに
無気味で無意味な
ただ無気味さだけが浮いている
そんな私を追い求めているのではないか
言葉の次には言葉が
いかにそこに鳥が潜んでいようとも
木でも荒野でもなく荒れるものすらなく
骨を曲げ同じ場所へと舞い戻る
いや 同じ場所でぐるぐると
身体の軸は外に逃げ出し既に手の中
それにかろうじてつかまってぐるぐると
いや もう へたりこんでいる
もう あんなに嫌な
血の川に座っているのだ


鳥たちの飛行が遮るあの向こうに何があるのか
次々と羽は溶けあって
確かめることができないほど巨大な生き物になる
離れても離れても
[次のページ]
戻る   Point(1)