幸せの森?散文詩/前田ふむふむ
 
い。最後の言葉を。最後の思いを。消えかかった声を振り絞って、話し続けていた。それを大きな妖精は一言ずつ漏らさずに答えていた。私はその光景をしばらく眺めていると、
小さな緑の妖精のひとりが、

(あの女性は誰にも看取られること無く旅立つ人です)
(そのような人は旅立つ前にこの森に来るのです。人)
(は生まれてくるときは、必ず祝福されて生まれます。)
(どんなに少なくても母親という一人に抱かれて生ま)
(れます。だから、決して
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