幸せの森?散文詩/前田ふむふむ
 
いている青い大男と黄色い小人が、居なくなったので、苦痛のバスを降りたら、そこは断崖の頂上であることに驚いた、強風に吹かれ恐々としていると、突然、眼の前が霞みだし、まどろみの雑踏の中に。木々をわたる風が突然、止んだ。小さな緑の妖精たちがあらわれて、わたしを囲んでいた。小さな緑の妖精たちは私を幸せの森に連れていった。透明色の森は木の隙間を眩い宝石で、埋め尽くしたようにキラキラしていた。森の合唱隊が天使の声で、鎮魂の歌をうたっていた。光が強く射しこむあたりにひとりの女性が横たわっていた。そこを数人の人間そっくりの大きな妖精が寄り添う。女性の眼には涙が溢れ、やさしい微笑を湛えていた。女性は語りつくしたい。
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