清らかさと性について/渡邉建志
な存在に違いないと思っていた。僕は天使でいたかった。たとえば「はてしない物語」でブックス少年は女性(なんかいたよね、女王みたいなのが)を美しいと思うが、その女性と交わりはしない。僕にとっても、女性とはそういう存在だった。なにかきよらかな存在だった。ピーター・パンはいつか精通を迎えるが、ティンカー・ベルは精通を迎えない。そのかわりに生理はくるけれど、それは性的快感と結びつくものではない。ピーター・パンは女性の裸体を想像してオナニーすることになる。そうするともはやそれはピーター・パンではない。ティンカー・ベルとの関係性も変わってくるだろう。
恋ってどんなものかしら。性が目覚めて、清らか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)