清らかさと性について/渡邉建志
っていた精液が全て出た。ものすごい量がでた。僕はお漏らししたみたいな情けない気分になった(小学校時代、お漏らしもなんどかしたことがある)。絶対これはみんなに悟られてはいけない、先生にも、皆にも。そう思いながら、僕はがに股でトイレまで歩き、大量に放出された精液をティッシュで拭いた。陰毛に絡んだり、パンツにべっとりくっついて、最悪だと思った。どうして僕は男に生まれたのだろうと思った。
僕がオナニーをしない主義だったのは、ずっと書き続けているけれど、キリストや仏陀がオナニーをしたり、セックスをしたりしたとは思えなかったからだ。キリストや仏陀のことを僕は何も知らなかったが、なにか清らかな存
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)