清らかさと性について/渡邉建志
 
ないわけで。天使たちを人間に引きずりおろす、というのが僕のテーマなのですが、それはすなわち天使たちもヴェールを引っ剥がせば食べて吐いてウンコもするぜという証明をする、という、パゾリーニ的世界であって、あんまりいい趣味とは思えず、あんまりそれをライフワークにしたくはありません。むしろ、なぜ男の人は女の人を美化するのか、なぜ男の人は女の人を忘れられないのか、それをライフワークにしたいなあ、という気持ちはあります。ベアトリーチェ、ラウラ、ノルウェイの森、グレート・ギャツビー、明暗、三四郎、智恵子抄、アーリーン・ファインマン。なんとなく、全て過去が美化されているような気がします。グレート・ギャツビーで、美
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