清らかさと性について/渡邉建志
 
にかよくわからない怖い感情の盛り上がりが自分の中でわきあがってくるのを感じていた。今思うとあれがエクスタシーだったのだと思う。僕の中で、性的な盛り上がりはつねにそのマイナスなものとつながっていた、のかもしれない。そしてついに中学二年のときの、教室移動で、パソコンのシャットダウンができなくて、みんな帰っていって、先生が僕を焦らせた瞬間、僕の中でブレーカーが落ちた。世界が終わったみたいな、とても嫌な気分だった。先生はまだそこにいるし、まわりに学生もいるなかで、ぼくはひとり静かに痙攣していた、ばれないように、気をつけながら、一人で痙攣していた。当時僕はオナニーをしない主義者だったので、精液溜めに溜まって
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