キリシタス/馬野ミキ
 
け加えられた
キリストは手をかざすだけで病人を癒すことも度々あったが
調子のよくない時には失敗して死なせてしまうこともあった
十字架を背負いゴルゴダの丘に向かうキリストは道中何度か思いついたギャグをつぶやいた
普通、十字架を背負ってこれから死ぬ奴がそれ言わねえだろ!、というくらい
極めてユーモアにあふれているものだったので誰一人笑わなかった
もし笑ってしまったら、自分たちが信じている世界が台無しになってしまうからだ
実際彼は数年ぐらいなら飲んだり食ったりする必要は無かった
世界中の至るところに栄養が満ちているということをキリストは薄々知っていた
キリストは痩せこけて十字架に吊るさ
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