時間飛行士へのささやかな贈物/クリ
ヘロヘロで抜ける改札での静電気
再編ビームに蹂躙されるクタクタのニューロン
ホーミング・プログラムが俺の歩を進ませるのか
この疑問もプログラムされているのかサブルーチンなのか
決して来ない夏休みに焦がれる超低速時間飛行士
俺は歩いて故郷に帰りたい
ディラックの海を渡り時の門を抜け夏への扉をくぐり
煙が永遠に立ち昇るマイナス・ゼロの彼方へ、故郷へ
ある日どこかで、俺は過去の眠りを眠りたい、スヤスヤと
果てしなき流れの果て、永遠の終わりに
俺のヨレヨレの魂は癒される
本当は、俺の夏休みは一度も来たことがないのかもしれない
懐かしさしかない誰と遊んだのか思い出せないどこ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)