世界は漂泊する彼らのための/霜天
 
パレード、通り過ぎる、そんな頭上の光を
楽しいという感情を置き忘れた日の夕闇
彼はそのために全てを考えるということをして
流れていくひとりぼっち、常日頃想うようにすること
ステップ、音楽を歌うように
君の好きだった音楽を歌うように
てのひらに、曖昧に零すことを諦めて
旅する、パレード、世界はそんな彼のために
月明かり、冷ますように


「Re:空をそんなふうに浪費しないための運用法」
届くものは、届かないもの
誰となく宛てた手紙の返信は
巡り巡ったその意味を
かたちを失うことに存在を見つけて
イメージ、なにもない光の終わり、そんな頭上の
一日の週末に切り離しそこね
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