一日は、臨界する空の/霜天
駅前のコンビニに属する人達は、誰のためにやさしいのか
そんなテーマを、原稿用紙にまとめなければならない
発表は、そのうちに
口頭で伝えるにしたって
一日じゃ当然の顔で、足りない
そう、きっと足りないんだ
そんな日もあったねと
そんな日ってどこだっけ、と
笑いあう
昔話の循環する音だけが響く
そんな日のために
順路の向こうで母親の顔が心配そうに笑う
何かに気を付けろだとか
牛乳がどうしたとか、言っている
けれど、上手く聞き取れない
とりあえず、大丈夫だよ、とボールを投げておいて
返ってくるのを待っている
父親の顔は無表情に笑い
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)