一日は、臨界する空の/霜天
 



駅前のコンビニに属する人達は、誰のためにやさしいのか
そんなテーマを、原稿用紙にまとめなければならない
発表は、そのうちに
口頭で伝えるにしたって
一日じゃ当然の顔で、足りない

そう、きっと足りないんだ

 そんな日もあったねと
 そんな日ってどこだっけ、と
 笑いあう
 昔話の循環する音だけが響く
 そんな日のために



順路の向こうで母親の顔が心配そうに笑う
何かに気を付けろだとか
牛乳がどうしたとか、言っている
けれど、上手く聞き取れない
とりあえず、大丈夫だよ、とボールを投げておいて
返ってくるのを待っている
父親の顔は無表情に笑い
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