「 つるしもの。二日目。 」/PULL.
二日目。
雨が止まない。
夜が明けても、
そのまま降り続き、
今もまだ降っている。
お昼過ぎに、
カリミから連絡があった。
話したいことがあるので、
出てきて欲しいという。
お酒がまだ残っていて、
少し身体が気怠いが、
行くと返事をした。
身支度を整えて、
家を後にする。
灰色の空に傘を広げる。
傘を叩く雨音は、
密閉された響き。
雨に抱きしめられている。
そんな感じがする響き。
坂の上の喫茶店では、
カリミが待っていた。
顔を見るやいなや、
カリミは泣きだした。
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