懐かしの詩/千月 話子
 
んでいる
 佐藤さんと話したい な
 だけど だけどね
 一キロ先で頭がクラクラ
 愛は伝わらず 永遠の片想い


 高校生のタロくんと
 ずんずん ずんずん 街を行く
 大きな川を二つ渡った
 空は 空は 高く青い


 切れ切れの息 筋肉痛
 友は願う 友は祈る
 「高いお山よ
   彼の成長ホルモンを
    止めて ください。」と
 ここでは叶うような気がして 皆で


 深呼吸は森の中
 深呼吸は水しぶき
 でっかい肺で ためらい無く
 どうぞ 思い切り


大きな街のお空に飛んでる
化学記号を手で払い
タロくんは 二十歳で

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