X・T・C/04/LUKE
スピードに置き去りにされました
76年頃のロンドン(たぶん)、オックスフォード・ストリートの
テーマパークみたいな百円ショップ近くの小屋で
アンプの電源スイッチを入れた瞬間
ブーンというスズメバチみたいな音がしたのでこれかなと
たいそうよろこんだものだったのだが
小児喘息のぼくは痰の混じってない泡度100パーセントの透明なツバに
気づいて失望して肺より他を病んでる文化的労働者階級の群れの中に
ナチスの制帽を目深に被った少女を見つけて
彼女と二人フロアを濡らすツバの上をツーと滑り抜けた
oioiとかいわれて
最初二人で何かやれそうな気がしたけど
ナチスの制帽じゃ市ヶ谷
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