Youmen/アルビノ
きっと夕暮れだったのさ、と
川の水面が言う
夕日が反射するぼくほど
美しいものはないからね
せせら、せいら、せせら
川が笑うので
ぼくは石を投げてやった
*
ユーメーンに逢うことはもうない
ぼくは彼のことを憶えていなくて
かすかに残るのは
たしか大男で知能が遅れてるってこと
ぼくはいつも死にたがっていて
まわりにとめられながら
生き残っている
ユーメーンの描いたオレンヂは
力強くて
生命力に溢れていた
ぼくが首を吊るたびに
彼が怒っている気がした
*
ユーメーンの描いた
オレンヂを探
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