Youmen/アルビノ
を探す
どの街の、どの風景にも
それはなくて、
川の水面は華やかすぎて
家の灯火はやさしすぎた
ユーメーンのオレンヂを探すけど
どこにもそれはないんだ
ユーメーンにぼくは何かができただろうか
彼は今もきっと
あの街の丘の上、
集合住宅のどこかで
生きている
友達になろうと、
あの時笑ったかもしれない
彼は憶えているだろうか
ぼくの肖像画を描きたいと言ったこと
職員に
それはできないと止められたこと
*
ユーメーンに逢うことはもうなくて
お互いがお互いを忘れきる頃
きっとオレンヂの謎が解ける
それは解決ではなくて
オレンヂのその色を
不思議に思わなくなってしまうんだ
「幼い頃の疑問符は
意味をなくして埋まるだけ。
本当は何一つ
解決しちゃいないのさ。」
深夜のテレビが乱雑に吐き捨てた
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