蓋天宣夜/佐々宝砂
最初に巨大なテーブルが在つた。
テーブルこそは原初の者である。
テーブルの一辺は三千阿僧祇(あそうぎ)四千阿僧祇(あそうぎ)であつて、
其の対角線は五千阿僧祇(あそうぎ)、
テーブルの央心には直径二百八恒河沙(こうがしゃ)の翡翠の玉(ぎょく)が鎮座する。
翡翠の表面には選ばれた物らが住まふ。
テーブル上部百八不可思議の高さに蓋天があり、
其処には全ての活力の源泉である太陽が輝く。
テーブル上部に住む物は其の光輝を受けて生きるが、
常時光輝を受ける事耐え難き物どもの住まひは、
テーブルの端や横に浮遊して光輝を避ける。
ほほう。
御前達
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