このはれた さむいひに/岡部淳太郎
 
もとてもさむいひに
きみがぼくを
こまらせるだけのそんざいであったとしても

ぼくはきみに
あいじょうをそそぐだろう
ぼくがいつも
あいというものからうらぎられていることへの
しかえしのように



うみのむこうをみながら
きみはぼんやりとしたかおをしている
うちにおいてきてしまった
ははおやのことをかんがえているのだろうか
ははおやがどこかで
まいごになっているかもしれないと
しんぱいしているのだろうか

せかいはとてもざんこくで
こいやあいもまたそうなんだ
このふとったおなかから
きみみたいなこどもが
うまれてくればよかったのに

きみのい
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