このはれた さむいひに/岡部淳太郎
もとてもさむいひに
きみがぼくを
こまらせるだけのそんざいであったとしても
ぼくはきみに
あいじょうをそそぐだろう
ぼくがいつも
あいというものからうらぎられていることへの
しかえしのように
*
うみのむこうをみながら
きみはぼんやりとしたかおをしている
うちにおいてきてしまった
ははおやのことをかんがえているのだろうか
ははおやがどこかで
まいごになっているかもしれないと
しんぱいしているのだろうか
せかいはとてもざんこくで
こいやあいもまたそうなんだ
このふとったおなかから
きみみたいなこどもが
うまれてくればよかったのに
きみのい
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