このはれた さむいひに/岡部淳太郎
 

さわりつづけている



もしもぼくがおんなのひとだったら
きみみたいなかわいいおとこのこをうむことに
はてしないよろこびをかんじるはずなんだけど

ちゅうねんおとこはそういって
きみのちいさなてをそっとにぎる

ざんねんだけど
それはぼくにはゆるされていないんだ
せいぶつがくてきに
あきらかなことなんだよ

ほほえみながらそうつけくわえても
せいぶつがくてきってなあに?
そういってきみは
きょとんとしたかおをするだけで

こんなはれた
けれどもとてもさむいひに
うみのながいうでのそばで
きみはどんどんあたらしくなってゆく



せいあ
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