loop/霜天
 
 声の聞こえる道、通っていく道
 生まれてくることが、生きていたいと思ってた
 三月の花が、九月に散ろうとすれば
 いつだってそこからは、そこからは


  *

始まりはどこにでもあって
終わろうと思えばいつだって終われた
君はここじゃない、見えてこない光を見ては
涙は一人勝手だといつでも笑った
二月、隙間、入り込む冬
そんなものを見つけては
足跡を付ける理由にしている

  *

裏路地の花の生きていた五月
踏み潰されたゴムボール
さまよっていたシャボン玉
片目の取れた人形の見つめていた噴水
飛び散る飛沫の隠れるように虹
ここに居てくれるなら

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