山/葉leaf
いる、岩を砕けば何匹もの蝶が舞い落ちて地に並び一枚岩へと姿を変えるはずだ、あの林が芽吹いた頃の図像はどこに潜んでいるのだろうか蛇の牙の内側だろうか、潅木の内面はわずかに未来へと編入して外面はゆっくりと現在を食んでいる、大樹のまるい幹は淫靡にうちしめりその影はえぐり取った空間を匿そうとしている、木の葉は西風の中で鋭利にゆれていくつもの鎖をつつみこんでいる循環させている、落ちてくる日の塊は水よりも重いだろうか銅よりも熱いだろうか、ほてりは体中にひろがり僕は汗が血潮であることを知る息が振動であることを知る、抽象的な虎がいるような気がする、僕は耳をふさいでみたが次は架空の熊がいるように思えた、誰が人々の指
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