生死/葉leaf
してゆくのです。
――すべてのものへと収束してゆくその火焔状のまなざしに、俺の眼窩はみたされつつある、俺は待っていた、薄闇に火の粉を散らすシダのように、俺のかなしみと符合する蝶のような幻像を。それはお前だった、お前の痙攣する下肢だった、切り立つのはうつしびとの、この部屋へと貫入してくるどぎつい生命線だけでいい、ああ、だが涙が闇のようにほとばしるこの時刻。狂奔する電影。つまさきへとはうつくしい白煙が呼び込まれ。
――ああ、もう手遅れです、あなたはもう切り立つことすらできない、その白煙はあなたとあなたが生んだ世界とを雨に変えてしまう。無に祈るのです、コケのように、意識の淵々からいきりたつことばをて
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