生死/葉leaf
――切り立ってごらんなさい。つまさきで。手の先を。あなたの手のひらには死の網が浮き出ている、巻雲の申し子だ、耳の中で変色する早苗の葉音を頼りに、内園からつなぎとめておくのです。私はおさない被告人、砕けて水となる密林、郭門をくぐってあなたのもとを去ろうとする一縷の真実、醜花の散り残した香りを糧として、結ばれてゆく焔のきっさきに居地をもとめて。
――空から金属があふれてくる、俺の手は輪郭となり内側が消える、息を吐くごとにからだは軽くなりうすく延びてゆく、焦点だけを残して。嘘が時雨のような音を立てる、俺は音の矢だ、アザミにさえ歪まれる、だが俺はお前の名を知らない、お前を包んでいるその名前を。朝霧に注ぎ
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