オリジナリティの範囲---片岡直子さんをダシにして/藤原 実
 
いない。ピカソほどすぐれた創造力を示しながら、その代表作のほとんどに「剽窃」の影がうかがわれるような作家は、まったく他には例を見ないのである」
                                    高階秀爾『ピカソ---剽窃の論理』:美術公論社


「ピカソが若いころ、仲間たちはピカソに描きかけの絵を見せたがらなかったという伝説が残っている。盗む男の方が天才だったのである。藤田嗣治は自伝の中で、ピカソが自分の作品の前に三十分も立ちどまっていた、彼は自分から盗んだのだと、反対に盗まれる喜びの声をあげている」
                                
[次のページ]
戻る   Point(13)