靴下の夜に/nm6
 
ちがまるい夜に、3000円以内でまわす。どんな状況も距離のことだ。つい最近読んだ本だ。昨日出会った人のことだ。セイ。この瞬間も大切なものがこわれている。


文体はひとつに定めなければならない。
夕方は毎日いろが違う。





ありふれた人に。電車の中でありふれた人に。ホームにつばを吐くありふれた人に。ホームで倒れている人を風景のようにやり過ごすありふれた人に。ホームで、ぼくらは帰る場所へ向かう。ゴー・ホーム。ぼくらは引き下がっては、いつものようにでかけてゆく。明日は帰らない。ホーム。アナウンスが鳴る「3番線の電車は、」が主語だ。ありふれた人は走る鉄のかたまりに集合して散る
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