ピーナツ、あるいは死者との対話/大小島
 

うなずく彼(首をつっている)
「つっても、死んでるんでしょ?」
「まぁね」
「なんで死んだの?」お酒の勢いでズバズバいける。
「なんでって・・・さぁ。だって基本的にろくなことないし、さ。」
「まぁ、そうだけど、早すぎでしょ」
「自分でもそう思うけど。」
「家族は?悲しむと思うよ。」
「・・・生きててもね」
「なんか、悲しいなぁ。私、赤の他人だけど・・・
楽しいこと、一杯あるのに。」
「そりゃあ楽しいこともたくさんあるだろうね。でもいやなことのほうが
ちょびっとばかし多いんだよ」
私は、ピーナツを投げつける。
風にゆられたのか、彼は上手によける。
「なにすんの」
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