詩の境界線(最終更新9/16.2008)/佐々宝砂
くリズムを持つ。ならば、日本語の詩を詩たらしめているものは何か。明治以前は話が簡単だった。詩と言えば五と七のリズムを持ったものに決まっていた。考えてみりゃ1000年以上の年月、日本人は「五と七のリズムからなるもの」が詩だと考えて疑わず、それで特に不便はなかったのだ。正しく言うなら「五と七」だけではないけれど、古来日本語の詩を詩たらしめてきたものは、間違いなく音の数(ないしリズム、正しく言えば「拍」)だった。
定型詩の典型的なものと言えば俳句だ。俳句は、一応、五七五の十七文字で書かれ季語があるもの、ということになっている。しかし世間は広いので、中にはこんな俳句もある……
谷風・銭苔
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)