「竜の瞳」(マオウと忠男と電球と)/仲本いすら
 
こからどう見ても、ただの電球。
もしや、どこかにスイッチがあり、そこを押すと竜の瞳に変形をする・・・と言う仕掛けなのだろうか。
忠男は、手の中で電球を何回か回転させたが



「・・・・やっぱり、ただの電球じゃないか・・・。」



まさに、電球。





「マオウはその竜の瞳のみが弱点なのだ、その竜の瞳を駆使して邪悪なるマオウを退治してくれ!」
そうオウサマが言い放つと部屋は真っ白になり、気が付くと「マオウ在住」と書かれた扉の前に立っていた。
「どこまで不思議世界なんだよ、ここは」忠男はここに来て初めての愚痴をこぼした。
どうやら、マオウを倒さない限り今の
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