「竜の瞳」(マオウと忠男と電球と)/仲本いすら
んな国で、この「オウサマ」がどんな「オウサマ」なのか気になったが
忠男はあえて何も聞かないことにした。
たとえコンビニのおつりが10円足りなくても
たとえ自動販売機で買った飲み物がまだ冷えていなかったとしても、そんなこと気にしない
おおらかな男、それが忠男であった。
「勇者忠男、これからオマエには「マオウ」を倒しにいってもらう」
なんともRPGなどではありがちな展開。しかし、それも忠男は気にもしなかった。
なぜなら、忠男はたとえ友だちに貸したCDにキズがついていても
許す男だったからだ。カインドオブ。
「よいよい、あまりの感激で喋れないのならば喋らずともよい」
「じいや
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