こけし他/黒川排除 (oldsoup)
 
木に留まりすべてまっさかさまにする

砂漠のぬしが栞としてのしかかる目覚め

謝肉祭見守る憂いの氷塊群

後ろ暗いと許されぬ林轟然と青く

堤防で祖父颯爽と小さじをかざす

陥落したラジオ局から炭のテーマ

くるしい声うそうそとみなもはてるまで

割れた風船の如き光より庭の序章

作業徐々に一着の服のようなダンス

没後の手も拝借披露宴のモノトーン

銀の海辺は閉じた鋏で天地を分かつ

ついに日傘を投げ捨てフェンスに激突す

蛙のみやこに花がげろりと咲いている

異郷の煙突あの煙は呼気 おや、雨だ

封鎖する一帯夥しく譜面

屋根こわす度
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